こんにちは、ハートフル・スティションです。夏の情緒たっぷりに蝉の鳴き声が響き渡り、本当に夏らしい夏がやってまいりました。今年も暑いですね。
終戦の日、原爆の日など戦争関連の行事も、夏の大切な習わしです。終戦の日が近いこともあるのでしょうが、先日、NHKで『この世界の片隅に』というアニメをやっていました。世界的な賞を受賞した作品で、戦時中の貧しく厳しい時代を生きる、「すずさん」という一人の女性の半生を丁寧に描きあげた秀作です。食べるものもろくに無い時代に、食べられる野草を楽しそうに手折り、塩で揉んだり煮汁に加えたりして笑顔で食事を作るシーンが魅力的でした。節約が高じて「楠公飯」という米つぶが大きく膨らむ炊き込みご飯を作るも、あまり美味しくならない楽しい失敗談などもありました。楠公飯は美味しくないことで有名だそうです。
戦時中の物語ですので、悲痛なシーンもやはりありますが、世代を問わずにおすすめしたい映画です。素朴な性格の少女が一人の自立した女性として成長していく姿は多くの人の心を打つと思います。
映画つながりということでもう一つおすすめしたい映画は、あの黒澤明監督の「七人の侍」です。十代、二十代の年頃の若者にこの映画をよく勧めるのですが、本当に世代を問わずにとても評判のいい映画です。ちなみにカラーではなく、モノクロ白黒映画です。それほど古い映画ですが、古臭さを感じさせない若い黒澤明の才気がほとばしる意欲作となっています。戦乱の時代。野武士たちに苦しむ農民達を見て、七人の才能あふれる侍たちが発起し、農民たちを従えて野武士たちとの決戦へ突き進んでいくストーリーです。心理描写、ストーリー、そして何より演技とは思えない大迫力の戦闘シーンは、本当にすごいです。
本当に優れた物語は、国境や世代も越えて愛されるものなのだな、と思いました。